今回読んだ本は無印良品の「覚悟さえ決めれば大抵のことはできる」と「無印良品が世界でも勝てる理由」の2冊だ。どちらも良品計画会長の松井忠三が書いた本だ。読書感想は最初に発売された「覚悟さえ決めれば大抵のことはできる」を中心に書くとする。
リーダーに必要な「任せる力」
「覚悟さえ決めれば大抵のことはできる」の本を読んで印象的だったのは部下に「任せる」と言うのは部下に仕事を割り振る事ではなくて、部下の仕事を成功させる事。
仕事の成否が部下の能力次第になってるならリーダー失格。「これやっておいて」と言う曖昧な任せ方ではリーダーとして無責任。と書かれていたからだ。
これは目から鱗だ。リーダーは部下の仕事を成功させる為にいるんだな。更に「部下に仕事を任せて失敗しても最終責任は任せたリーダーにある。
リーダーが部下に仕事を任せて失敗したら部下を叱ってリーダーの責任は問われないのが一般的だが、無印良品では違うんだな。(良い意味で)

業績を急上昇させるマネージャーは要注意。
リーダーが変わってから急激に利益を上げる店舗が出てくる。これは喜ばしい出来事のように思えるが、無印良品では「危険信号」としてとらえる。イベントやセール期間で驚くような売上を達成した店長が出現する時がある。
かなりの金額なので、どうやって売り上げたのか店長に聴いてみると特に売るための工夫はしていない。
おかしいと思って調べると目標を達成できなかった社員にクレジットカードで商品を購入させていた事が判明。強制的・脅迫的に商品を買わせたり、自発的に買うように誘導してたりする。
業績が上昇したら離職率も上昇。
更に短期間で一気に業績を上げるリーダーは自分の命令に背く社員に無理難題をふっかけたり、嫌がらせをして辞めさせようとする。リーダーの言う事を聞く手下だけでの店舗運営を目指すのだ。この行動を取るのは独裁的なリーダーが多い。
強制力を使って社員を働かせる強力な店舗運営をしている店は短期的な業績は伸びても離職率も上昇してしまう。しかも独裁的なリーダーは上司に対しては下手に出る為、その強力な店舗運営を見つけにくい。

無印良品での解決方法。
上記のような状況を解決する為に無印良品では「組織サーベイ」を年2回行っている。店で働くパートやアルバイトに質問用紙を配り、店長について回答してもらう。その質問用紙は店長を経由しないで、直接調査会社に送られる。
リーダーの上司が店を巡回してパートやアルバイトに聴いても本音を語る訳ないから質問用紙で回答してもらうのだ。これにより従業員にとって快適な店舗運営を目指す。従業員がいるから会社や店が成り立つ訳だからな。
「覚悟さえ決めれば大抵のことはできる」の本で無印良品がどんな会社運営してるのか知る事ができた。無印良品に興味があるなら読んでみよう!

無印良品が世界でも勝てる理由を読書!収納家具やソファ販売方法。
以前の記事で「覚悟さえ決めれば大抵の事はできる」の書評を書いたが、今回は「無印良品が世界でも勝てる理由」について書く。
本の冒頭には「無印良品の海外展開は失敗の歴史がある」無印良品の海外展MUJIが失敗の連続で負け続けたのが良い経験になったとか書かれている。失敗は成功の元って事だな。
次に世界での必勝パターンがあり、どの日本企業でも使えるとある。負け続けた経験が勝ちパターン(勝利の方程式)を生み出したのだ。
この「覚悟さえ決めれば大抵の事はできる」の本では基本と仕組みさえ作れば世界で通用する。なので、無印良品の基本と仕組みについて見て行こう。

海外の無印良品は11年間赤字。
無印良品の海外店舗1号はロンドンのリバティ百貨店から始まった。開店当初はシンプルな商品が非常に好評で幸先の良いスタートとなった。
ところが続けて海外出店したイギリスとスコットランドではお客が入らず商品も売れない。その後、売上が好調だったロンドン店も閉店。
一方、香港では日本製は質の高い商品とされ、高級品だった。その後もアジアに出店を続けるもことごとく失敗。日本国内での売上が好調だった為、海外での成功を夢見て出店を続けた。

無印良品の海外店を閉めるのも莫大な費用が掛る。
フランスのルーブル美術館地下にあるショッピングセンターに出店していた無印良品。ルーブル美術館の近くで立地が良いだけに家賃も高いので莫大な赤字となった。
売上より家賃の出費が大きい為、閉店を決める。だが、フランスでは日本以上に労働者の権利が守られている。地元の従業員を解雇するには労働組合委員長のサインが必要なのだ。
更に日本の労働基準監督署みたいな行政組織もあって許可がないと閉店できないと判明。最終的に17億円を使ってフランスから撤退した。

海外での採用基準は無印良品が好きである事。
海外進出で重要なのが現地スタッフの採用だ。始めて出店する国ならどのように募集して採用すれば良いのかわからない。
無印良品では日本人社員を1人派遣して現地で法人を立ち上げる。そのまま現地法人の社長になるのだ。それ以外の副社長や経理担当は現地の人を雇う。
既に知り合いになっている人や知人からの紹介で採用する。その後、インターネット上や求人広告で募集して筆記試験と面接を行う。求職者の志望動機は「無印良品が好きだから」ってのが多い。

無印良品のアルバイトから店長に昇格。
海外では「生活費を稼ぎたい」とか「家が近いから」と言う理由で応募してくると思いきや意外と無印良品好きの求職者が多かった。
無印良品ではアルバイトで採用後、正社員や店長になった者も沢山いる。仕事に生きがいや、働きがいを求めるのは世界共通のようだ。
この「覚悟さえ決めれば大抵の事はできる」には他にも「泳ぎを覚えるには泳がせるしかない」とか「海外では人と人との繋がりが重要」とか興味がある項目が沢山あった。
無印良品の海外進出を書いた「無印良品が世界でも勝てる理由」の本を読んでみてはいかがだろうか。
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