社会保険労務士とはどんな仕事をするのか?試験の難易度と合格方法、そして合格後の就職(転職)先について紹介する。
社会保険労務士試験の受験資格と難易度は?独学合格方法と求人情報。
一般のサイト(ブログ)だと、社労士試験と合格後の登録については書かれている。
だが、合格後の就職転職情報や実際の仕事の内容(行政協力)についてはあまり書かれてない。
なので、社労士の仕事に興味ある人、社労士試験を受けようとしてる人向けに記事を書いた。
良くも悪くも社労士の全てを隠さずに書いた。
社労士試験や仕事内容については社労士である私が話すよ。
社会保険労務士とは?どんな仕事をするのか、わかりやすく説明。
社会保険労務士とは労働保険と社会保険の手続をする人。
労働保険は労働者災害補償保険(労災)と雇用保険の事、社会保険は健康保険と厚生年金保険の事。
中小企業の社長(経営者)は労働・社会保険の手続が面倒。だけど、従業員の入退社手続きや給料に関する保険料徴収はどうしても必要。
人事労務の担当者がいればその人にやってもらえば良い。
だが、いない場合は経営者が自分で手続きするか、専門家の社労士に依頼するかのどちらかになる。
人事労務担当者を雇うより、社会保険労務士に依頼する方が得だし、楽。
経営者が自ら労働・社会保険の手続きをすると、本来の業務に集中できない。かと言って人事労務の従業員を雇うと月給15万円は必要。
そんな時、社労士なら月額1万円から依頼できる。金額は依頼する社労士事務所により異なるが、人事労務担当者を雇うより安上がり。
最近では従業員数が300人を超えるような大企業でも社労士に依頼してる。
それは何故か?単純な手続きだけでなく、労働基準法や労働契約法を始めとする労働相談が必要だからだ。
社会保険労務士とは?労働問題等、会社のトラブルを未然に防ぐ盾。
ぶっちゃけ従業員数が少なければ経営者でも手続きやってける。
わからない事があっても労働基準監督署・公共職業安定所(ハローワーク)・年金事務所・健康保険協会に尋ねれば書類への書き方を教えてくれる。
だが、突発的に起こる事件には対応できない。昨日まで出勤してた従業員が来なくなったとか、通勤や仕事中に従業員が怪我をしたとか。
妊娠出産時の給付金もそうだし、社労士の業務を上げたらきりがない。いずれにせよ専門家である社労士に相談し、手続きしてもらった方が圧倒的に早く解決する。
社会保険労務士とは?会社・従業員・役所を円滑にする存在。
労働基準監督署や年金事務所の調査も労働法や社会保険に詳しくない従業員が行くと会社に甚大なダメージを与えかねない。
よくわからないまま調査に行くのはとても危険。役所としては何かを察知して調査する事もあるからだ。
そんな時は社会保険労務士に依頼すれば最小限のダメージで、役所の調査を乗り切ってくれる。
また、最新の助成金情報を把握してる為、手続きを依頼すれば数十万円から数百万円の収入を得る事も可能。
そうでなくても法改正が多い分野なので、多少の出費を払ってでも顧問契約した方が労働問題を防ぎ、会社を守る事となる。
結局、社労士を使った方が、会社にとって金銭以上の利益をもたらす。
社会保険労務士試験の受験資格は短大の卒業か、行政書士試験合格。
社会保険労務士試験は受験資格が必要。
大半の人は短期大学や4年制大学を卒業するか、行政書士試験合格で受験資格とする。これが社労士への一般ルート。
既に学歴を受験資格にできるならそれで良い。だが、高卒で社労士試験に挑むなら行政書士試験合格か、短期大学の卒業が条件。
ソフトバンク大学で通信制の大学の資料請求資料請求しよう。
受験資格がいらない国家資格もある「受験資格のない国家資格6選!通信教育で誰でも合格、転職有利」
社労士試験の受験資格がないなら高卒から短大卒にする。
行政書士は社労士より合格率が高く、簡単な試験。だが、試験内容は全く異なる為、毛嫌いする人も多い。
ならば高卒の学歴を大卒にすれば良い。短期大学や4年制大学の通信教育講座があり、これを卒業すると社労士を受験できる。
通信教育だろうと、短期大学士や学士の学位を得られるからだ。4年制大学の場合は3年制になれば社労士を受験できる。
ただ、大学の卒業時期と社労士の試験時期が噛み合わないと受験が1年遅れる。
通信制大学を卒業して受験資格を得るのが確実。「通信制大学で受験資格を満たす方法!専門職で手に職を付ける」
関連記事「あなたはどれを受験?超難関資格の士業に合格して人生を逆転させる」
社会保険労務士試験の合格率と難易度。
社会保険労務士試験の合格率は5%前後。世の中の資格試験は合格基準を突破すれば合格だが、社労士は違う。
社労士試験は競争試験だから、他の受験者が高得点を取ればそれだけ合格ラインが引き上げられる。
一般の試験は自分自身との戦いだが、社労士試験は日本全国の受験生が敵。自分以外の受験生を全て倒して頂点に立つ必要がある。
言い方を変えれば全受験生の上位5%ほどが、社労士試験合格となる。だが、社労士試験の難易度を跳ね上げるのが、選択式問題。
関連記事「社労士試験は選択式が全て!あと1点で不合格にならない為の対策」
社会保険労務士試験は選択式を突破すれば択一式も合格点に達する。
択一式問題は勉強すればするほど、得点力が上がる。だが、選択式はそうは行かない。
毎年1点の足切りで不合格になる受験生が山ほどいる。選択式問題は時折、難問奇問が出される。
こればかりはその年、その年の受験生の運だからどうにもならない。全受験生の得点率が悪いと救済される事もある。
救済とは本来、足切りで不合格になる場面でも不合格 にならない制度。つまり、選択式での足切り基準が引き下げられ、2点でもOKとなる。
社労士試験で救済を期待するな。
関連記事「社会保険労務士試験前日の過ごし方!合格への直前対策と解答速報」
社会保険労務士試験に独学で挑むか、資格学校を使うか。
社会保険労務士試験は独学でも資格学校でも合格できる。
資格学校なら20万円から30万円掛かる。
だが、独学ならテキストと問題集(過去問)を買うだけだから1万円から3万円で済む。
しかも独学時に使ったテキストと問題集(過去問)をフリマアプリ(メルカリ)で売れば更に出費は減る。
私は独学で社労士試験に合格したが、自分自身で試験範囲や法改正情報を把握する情報力が必要。
独学は安上がりだけど、合格への道筋は自分で探す。だから自分に厳しい人が独学に向いてる。
社会保険労務士試験対策を丸投げするなら資格学校に通う。
なので、金に物を言わせて全部資格学校にお任せするのも良い。授業に通ってればある程度の情報と得点力が手に入る。
ただ、1回の受験で合格できるとは限らないため、2回3回と受験回数が増えると100万円の出費もあり得る。
社労士は合格よりも合格してからが大変なので、そんなに出費してまで合格する必要があるのか考えよう。
関連記事「独学と資格学校、試験合格への近道はどっち?デメリットを徹底比較」
社会保険労務士試験を独学合格する為のテキストと問題集(過去問)
独学であれ資格学校であれ、良い面と悪い面がある。でも自分に厳しく、規則正しい生活を送ってる人なら独学でも合格できる。
規則正しい生活と言うのはフルタイムで働いててもそれ以外の全ての時間を社労士試験勉強に使うって事。
本来、社労士試験に挑むなら1日5時間の勉強が必要。
社会保険労務士試験対策、完全版はこちら「社会保険労務士試験に合格して転職採用!開業登録と年会費はいくら?」
関連記事「独学での社労士試験合格方法!私はこのテキストと問題集で合格した」
社会保険労務士試験に合格するなら勉強時間は1日10時間以上。
土日の休みなら12時間は勉強すべき。主婦なら家事や育児をやりくりして時間を捻出する必要がある。
独学でのテキストと問題集(過去問)選びは同じ種類や出版社で揃える事。
社労士試験のテキストと問題集(過去問)は豊富で、同じ出版社で複数のテキストと問題集(過去問)を出版してる事がある。
あれこれごちゃまぜにしてテキストと問題集(過去問)を買っては行けない。あくまで、同じ種類で統一するのだ。あとは模擬試験を3回は受けよう。
独学でも模擬試験だけ資格学校で受けられる。
社会保険労務士試験合格後の事務指定講習と開業登録。
社会保険労務士試験に合格したら4つの道にわかれる。
- 開業(社労士)登録。
- 事務指定講習後に社労士登録。
- 事務指定講習後に登録しない。
- 何もしない。
ずばり言うが、開業しないなら社労士の資格はいらない。社労士の資格は独立開業する為のもの。
経験を積むために他の社労士事務所で働くのは良いが、最終的に独立開業しないなら取得する意味がない。
社労士資格があっても就職や転職は有利にならない。それどころか、労働法に詳しい奴はいらないと、不利になる事がある。
資格マニアのような自己満足なら良いが、将来的に独立開業しないなら社労士資格は無駄になる。
独立開業しないなら社労士資格は不要。
関連記事「社会保険労務士試験合格後、事務指定講習を受講して独立開業した」
関連記事「社労士合格後の事務指定講習とは?独立開業の手続き登録方法を紹介」
社労士は仕事がなくて、食えない無駄な資格?年収は?
社労士試験に興味を持った(挑んだ)95%の受験生は合格することなく普通の生活に戻る。
と言っても合格した4%の人も一般人に戻る。社労士試験に合格して社労士として稼いでいくのは1%程度。
何度も書くが、社労士試験に合格するよりも合格後の方が大変。開業登録しても自動で仕事はやって来ない。
これまで、人事労務の経験がなく、人脈もない。そんな人に仕事は来ないし、仕事を取れない。まさに食えない無駄な資格となる。
社労士は仕事がなくて、意味のない資格?こんな人は向かない。
ずばり言うとこれまで人事労務の事務経験がなくて人脈もない人は社労士資格は無駄になる。いきなり開業してやってけるほど甘くはない。
成功するかどうかは別として、開業登録しない人も資格が無駄になる。社労士の資格は独立開業する為の資格。将来的に開業しないなら無駄な資格である。
社会保険労務士の実務経験がないなら行政協力で覚える。
ただ、未経験でも活路を見出す方法がある。それが行政協力。行政協力は開業社労士だけができる仕事で、いわゆる社労士限定のアルバイト。
ようするに社労士が労働基準監督署・ハローワーク・年金事務所に行って仕事の手伝いをするのだ。
その道のプロである社労士が働くだけ合って1回(1日)あたりの報酬は高い。
行政協力に自分が選ばれるかが問題。
社会保険労務士で独立開業して成功するのはこんな人。
社会保険労務士として活躍するには試験合格時の年齢が関わる。遅くても35歳までには合格し、社労士として活動すべき。社労士は専門職だから実務を学ぶには時間がかかる。
それとこれまでの職歴で、総務とか経理で関連する仕事をしてる事。
人事労務で手続きしてたなら最良だが、少しでも社労士業務に関わる手続きをしてたならそれで良い。
あとは人脈がある人。実家が自営業なら社労士の力を発揮できる。他にも人との幅広い交流は社労士として活動するには重要。仲間からの仕事依頼は意外と多い。
社労士の成功は人脈にかかっている。
社会保険労務士として修行するなら求人(転職)サイトを使おう。
社労士試験に合格したんだから事務所で修行したい!人事労務の仕事をして手続きを覚えたい!そんな人は求人(転職)サイトを使おう。
社会保険労務士の求人はとてつもなく少ない。公共職業安定所(ハローワーク)や一般の求人誌ではほとんど載ってない。
首都圏なら希望はあるが、地方で社労士の求人を見つけるのはかなり困難。
仮に社労士の求人があっても採用されなきゃ意味がない。採用されるには多くの社労士求人に応募して確率を上げるしかない。
人事労務の仕事が未経験なら手続きを覚える為に就職(転職)活動する。
特に人事労務経験がないならアルバイトでも契約社員でもいいから仕事を覚えられる職場で働く。
そしてある程度覚えたら正社員を目指すのも独立開業するのも自由。
まずはどこでもどんな待遇(安月給)でも良いからあなたが社労士の仕事を思えられる仕事、もしくは社労士に関連する仕事に就こう。
国内屈指の求人サイトのリクルートは求人数が豊富で、社労士関連の仕事を見つけやすい。
リクルートエージェントと就職Shopに登録しよう!複数に登録すればそれだけ理想の仕事を見つけやすい(就職Shopは20代専門の転職エージェント)
最初は社労士事務所でなくても、関連する仕事で実務を学ぶのも一つだ。
社労士試験に合格するならこちら「社会保険労務士の試験対策!オンラインの通信教育講座で合格する」
「ファイナンシャルプランナー2級3級試験のeラーニングスクール5選!」の記事に続く。
社会保険労務士関連記事。
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社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー2級技能士
キャリアアドバイザーとして資格と転職について助言している。女性からのLINE(労働・人生)相談が多い。
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